「いいことを思いついた!」
――どうしました?
「社が私以外とも簡単に意思の疎通ができる方法!」
――ほほう。
「まず鐘を用意する!」
――鐘、ですか。寺にあるような大きなものを?
「そう!それで、『YESなら一回』『NOなら二回』社が鐘を鳴らすの!」
――なるほど。返事代わりという訳ですね。
「これで私以外の皆と会話できるよ!」
――えー、まことに申し上げにくいのですが……
「ん?」
――私、筆を操作すれば筆談が可能なのですけれど……
「えっ」
――あるいは、ご主人様のPCを貸していただければタイピングという手も……
「……」
――ご主人様?
「……ぐすっ」
――ナイスアイディアですね!鐘!早速どこからか持ってきましょうか!
(あ、あれ?
社が私以外ともちゃんと会話できるんだって嬉しくて泣けちゃっただけなんだけど……)