グリーンアイズ・グリードマインド

特殊能力の取材に埴井のもとへやってきた夢追であったが……
「何よ!そんなに脚を見せびらかして!自慢!?」
「えぇっ!?いえ、あのお話を」
「言っておくけどあたしのほうがよっぽど美脚だからね!そんなんで目立とうったってそうはいかないから!」
「あのせめて話を」
「キャラ被りなんて最悪じゃない!私が目立つのがそんなに嫌なの!?」
「ちょっと落ち着いて」
「蜂さん達!ヤッチマイナー!」
「ギャー!」
※この後、夢追はD・P´0008の完全蘇生によって事なきを得ました



獅子身中の虫

新参陣営本部にて、弐之宮と夢追が侃侃諤諤喧喧囂囂の議論を繰り広げている。
「着物なんてもんは“女性は着飾って座ってりゃいい”って精神の象徴だろ!」
「何を言いますか!あんなに綺麗な服は世界中探したってありませんよ!」
「……どうやらお互い譲れないところまで来たらしいな」
「……ええ。微妙に論点ずれてますからこのまま話し合っても決着はつきそうにありませんしね」
「こうなったら俺の『THE JUDGE』でお前の覚悟を試してやろう」
「いいですね、脈絡のない熱血展開。私は好きですよ。でも私がむざむざ技を喰らうまで突っ立っているとでも?」
「お前の速さは知っているが……決めてやるぜ!」
特殊能力を発動させるため精神集中を始めた弐之宮であったが、夢追の行動は弐之宮の能力発動よりも速かった。

(頑張れっ!)

握り拳を固め、心の中で弐之宮の能力発動を応援する夢追。
綺麗に弐之宮の能力を喰らった。

弐之宮晶のTHE JUDGE!こうか は ばつぐんだ!

「痛いっっっったぁぁぁーーーーい!」
「避けんかいっ!」スパァーン
思わず突っ込む朱音。
「で、でも……初めての特殊能力ですし……」ハァハァ
「あんなー……本番ではホント頼むで、ジブン」
「は……はいっ!全力で頑張れっ!って応援します!」
「ええかげんにせいっ!」スパァーン

朱音多々喜のハリセン・BON!こうか は ばつぐんだ!

「ウボァー!」
「おいィ?」
「はっ!アカン!あまりのことに加減を忘れてもーた!」
※この後、夢追はD・P´0008の完全蘇生によって事なきを得ました



悪気はないんです

校内新聞の記事を書いている夢追を眺める緑風。
(ああ……これで言動がまともならなぁ……)
「どうしました?緑風くん」
「あーっと、何の記事を書いてるんだ?」
「野球の記事ですよ。先日、五郎丸くんが壮絶な投手戦を繰り広げたやつです」
「あぁー。あれ相手チームのピッチャーもよく心が折れなかったよな。バッターの援護がまったく見込めなかったってのに」
「あれぞ熱血球児魂ってやつですね」
「熱血って言やあ秋刀も延長戦最後まで声を張り上げてて大したもんだったよな」
「あれぞ折れぬ男の鋼の魂ってやつですね。えーっと記事の見出しはどうしようかな」
(まともに話してるとやっぱ可愛いなぁ……)
「よしっ!『エースがちんこ対決』っと」
「お前わざとやってるだろぉぉぉぉぉ!!!」
※緑風の傷心はD・P´0008でも治せませんでした


***


夢追の家にて。夢追と親友の会話。
「えへへ。『アナフィラキシー・ハック 突発奥義 蜂覆絶討』に『THE JUDGE』、あと『ハリセン・BON!』っと」
「ねぇ……」
「それに『完全蘇生』!今日は色々な凄いことが体験できたなー」
(胃が痛い……)