世紀末救世主伝説の幕開けか!?学内にてモヒカンザコ複数名、突如の爆散!

その事件はすっかり夏らしい陽気となった6月初旬の昼下がり、新校舎の裏側にある黄色い触手が咲き誇る花壇の前で起こった。
記者はそのとき校舎屋上にて親友と談笑をしていたのだが、下のほうで何やら男女の揉め合う声が聞こえてきたため、屋上の手すりから下を見下ろしたところ、その場面を目撃することとなった。
事件の現場に居たのは学園の女生徒1名と、それを囲むようにしてモヒカンザコ達が5名。
女生徒とモヒカンザコ達の間で、何やら罵声を浴びせあっている様子であった。
女生徒が何を言っていたかは分からないが、モヒカンザコ達は大方「ヒャッハー!水を寄こせー!」とでも言っていたものと思われる。
同じ学び舎に通うものの危機かと、屋上から飛び降りて女生徒を助けようとした記者であったが、手すりを乗り越えるより早く“それ”は起こった。
女生徒が何やら力を込める身振りをするや、なんと周囲のモヒカンザコ達の頭部がスイカ割りのスイカもかくやと爆発四散したのである。
眼前の光景に驚き、屋上の手すりの上で固まる記者をよそに、女生徒は悠々とモヒカンザコ達の死体の上を歩いてその場を立ち去った。
それは正に、核の炎に包まれた世紀末の荒野を闊歩する救世主のごとき光景であったと言えよう。

今回の脅威の出来事を引き起こしたのが女生徒の魔人能力によるものなのか、はたまた別の技術体系に立脚したものなのかは現状不明である。
もしもこれが女生徒の魔人能力であるとすれば、彼女は恐らく第一級の強能力者であると言えよう。


先日から希望崎学園内は新参・古参の対立によって極度の緊張状態が続いている。
今のところ両陣営の均衡は保たれているが、もしもどちらかの陣営に強力な能力を有した魔人が加われば、事態は急展開を迎えるだろう。
今回の事件の中心に居た女生徒は、もしかするとこの希望崎学園内対立構造を破壊する救世主となるかもしれない。

文責:希望崎学園報道部1年 夢追中